Yamaguchi/Endo ITmag lab
Electromagnetic Theory Divistion
Dept. of EE/ECE, Tohoku University

 English Version
About us
     
    Preface
エネルギー・環境問題は世界が連携して解決すべき重要な課題です。将来のエネルギー需給は現在より電気エネルギーへの依存比率が高まると予測されており、このため電気エネルギーを効率的に発生させ、輸送・貯蔵・制御し、そしてもちろん効率的に利用することはこれまで以上に重要な人類必須の共通課題になっています。

このような認識の下、私達の研究室はエレクトロニクス・情報通信の立場から、情報通信の1ビットに懸かるエネルギーコストを如何に最小化できるかに興味を持っています。物理限界はすべての物質が等しく持つ熱ゆらぎ(kT)です。どこまでこの最小エネルギーコストに近づけるか? その知的好奇心が私達の研究の原動力です。もちろん1ビットそのものに関わるエネルギーは1fJ以下の微小量ですが、人類全体の扱う情報量・演算量を考えれば膨大なエネルギーが関わり、最近ではグリーンエレクトロニクスと呼ばれ、注目されています。

たとえば、数ある情報記憶装置のなかでもっとも大容量かつ高密度なハードディスクドライブ(HDD)を考えてみましょう。ここでは1ビットの大きさは既にナノスケールとなっており、その実態は磁性体の持つスピン(磁気モーメント)です。その1ビットから情報を読むセンサは、まさに熱ゆらぎとの戦いです。熱ゆらぎはホワイトノイズですので、直流からGHz帯以上の高周波領域まで電磁雑音を発生させます。このごく微弱な高周波エネルギーが、センサとなる多層磁性薄膜に物理的な共鳴現象を誘発し、これがセンサの感度限界となっているのです。もうひとつ身近な例を記しましょう。あなたの持っているケータイ。その受信感度限界は何で決まっているでしょうか?それは微弱な電波を受信する回路に高周波電磁雑音が混入することによって感度抑圧と呼ばれる受信感度の低下が発生することです。ケータイの電磁雑音には、アンテナ等を通して外部から混入する経路と、ケータイの内部のデジタル信号処理回路から高感度な受信回路に混入する経路とがあります。アンテナが本来受信すべき信号を邪魔することなく、雑音としてのごく微弱な高周波エネルギーのみを制する技術が、本当の意味で役に立つ技術になるのです。地球上で10億人以上の個人が持ち歩いているケータイにもエネルギー問題があるのです.

このように考えると、物理に根ざし工学を通して産業に至る壮大な幹が見えてきます。私達の研究室ではそれを次の研究テーマに凝縮させています。

1.高周波工学―スピン工学融合領域の開拓
  (a)MFMによる超高分解能高周波磁界計測技術の開発
  (b)微小磁性体におけるスピンのGHz応答の解明とその応用
2.高周波電磁界応用デバイス・システム技術の展開
  (a)RF MEMSコンポーネンツ・デバイス
  (b)LSIチップレベル低ノイズ化技術の創出とシステム設計

これは学生の卒論研究題目にもそのまま挙げています。人類が未だかつて経験したことのない巨大でかつ微小に分散したマイクロエネルギーシステムを最高の効率で利用し,そのためにIT機器から放射される電磁ノイズエネルギーを極限まで低減させることは,産業応用上はもちろん人類の将来にとっても重要な課題です.皆様のご協力を頂きつつ、この道を究めてゆきたいと考えています。



※以下、2008年頃までに推進していたテーマについての説明を残しておきます。これらは現在の研究の基盤となるもので、依然として重要な意味をもっています。

私達はナノ・マイクロ領域において磁界と磁気エネルギーを制御・設計する技術が次世代の新しいIT技術を牽引するという独創的考えを持っています.たとえばIT機器の省エネルギー化を極限まで推進するためには,90%を越す高効率の薄型DC-DCコンバータチップが不可欠です.これにはHigh-Qの集積化磁性薄膜インダクタが不可欠です.ケータイがどこまで微弱な電波を受信できるか,それは受信フロントエンド回路にあるインピーダンスマッチング用マイクロインダクタの 消費電力の大小が支配的要因となっています.半導体集積回路上の高速信号伝送は磁界と電界の織り成す電磁波が司っていますが,これまで磁界への関心は稀有でいま半導体研究者がこぞって磁界の勉強をはじめています.IT機器の内部では信号処理とワイヤレス通信の周波数が競合するため電磁干渉の問題が顕在化していますが,高周波・高空間分解能マイクロ磁界プローブがその解析ツールとして脚光を浴びています.集積化磁性薄膜によって電子回路やLSIの発する電磁ノイズを的確に取り除き信号品質を格段に向上することができます.

本研究室ではこのような社会的要請に応えるためのデバイスや評価装置を開発し,そのうちのいくつかを世に製品の形で送り出しました.今後もマイクロエネルギーと情報通信との関係に独自の知的好奇心を掻き立てつつ,上述の課題解決をはかってゆきます.これはナノテクノロジーに基づく新しいスピン情報通信薄膜材料,MEMS微細加工技術,ナノ・マイクロ領域における電磁界の基礎知識とシミュレーション技術が不可欠な境界領域的研究です.私達は実学を重んずる東北大学の伝統に立脚し,基礎理論と実用化開発を研究の両輪として,これを通して世界を相手に活躍できる人材を育成したいと考えています.
  For Students
世界最高レベルの研究経験を学生諸君とスタッフとで共有しましょう.これが学生諸君にとってもスタッフにとっても最高の教育の機会を与えてくれると信じています.
    とくに3年生のみなさんへ
  • 部屋の雰囲気を「創る」元気のある人,是非来てください
  • エネルギーインテリジェンスコース(電気エネルギーシステムコース)の研究室ですが,他のコースの人も歓迎です.マッチングの「重み」は電気エネルギー以外の内容にもいろいろ配分しています(リンクは学内のみ有効です).
  • 学年毎の悪平等はありません.やる気があって頑張る人は,4年生でもどんどん学会発表や外部との共同研究を実施しています.首都圏のセミナーなどへ参加して勉強する機会も多いです.その結果,4年生で早くもIEEE Student Awardを受賞した人がいます.
  • 進学する人はもちろんのこと,他研究室に進む人,就職する人,その他すべて,卒業を迎える日まできちんと指導します.よりよく社会に巣立ってほしいと心から願っています.
  • M1生は是非インターンシップを経験してほしいと思っています.H18年度、H17年度は全員が実施しました(三菱、NEC,パナソニックファクトリーズソリューション,NEC-トーキン).
  • 磁気とIT技術を繋ぐ研究を推進しています.詳しくは研究室見学で配ったパンフレットWeb上のResearchの項を見てください.
  • 外部との共同研究は活発です.研究成果から製品となって世の中で使われているものが何点もあります.
  • 国際性を重視しています.国際共同研究も推進しています.国際電気標準に採用された成果があります.
  • 詳しくは是非いつでも見学に来て下さい.青葉山キャンパス,東北大学未来科学技術共同研究センター(NICHe)3F,4Fに研究室・教授室があります.待ってま〜す.
研究室見学で配ったパンフレット→ [pdf版]. [jpg版は右の画像をクリック!]
  卒業・修了生全就職先(順不同、予定を含む)

(株)日立製作所、NECトーキン(株)、公益財団法人鉄道総合技術研究所、ヤフー(株)、パナソニック(株)、ローム(株)、東北経済産業局、三菱総合研究所、トヨタ自動車(株)、本田技研工業(株)、スズキ自動車(株)、(株)東芝、日本電気(株)モバイル事業部、(株)リコー、富士通(株)、ソニーエリクソン(株)、三菱重工業、綜合警備保障(株)、専門学校生、東北大学大学院情報科学研究科、大日本印刷(株)、三菱電機(株)

    Partners
海 外
CSIC(西),Delft工科大(蘭),INRiM(伊),嶺南大(韓),高麗大(韓),漢陽大(韓),東北大(華,瀋陽)など.
学 外 
企業:ルネサスエレクトロニクス(株), NECトーキン(株),NEC(株)生産技術研究所,日本電産コパル電子(株),(株)東栄科学産業,シャープ(株),パイオニア(株)など.
大学:神戸大学大学院工学研究科, 大阪大学大学院工学研究科,東京工業大理工学研究科,京都大学大学院工学研究科, 静岡大電子工学研究所, 信州大学工学部電気電子工学科, 富山高専電気工学科など.
財団・機構:(財)電気磁気材料研究所,情報ストレージ研究推進機構,宮城県産業技術総合センター,みやぎ産業振興機構など.
学 内 
電子工学科,電気通信研究所,情報科学研究科(2群),材料科学総合学科,多元物質科学研究所,ナノメカニクス専攻など.
利用施設 
東北大学未来科学技術共同研究センター(NICHe),西澤潤一記念研究センター, 東大VDEC(大規模集積システム設計教育研究センター),東北大通研ナノ・スピン実験施設,東北大マイクロ・ナノマシニング研究教育センター,宮城県産業技術総合センターなど.
    Jobs
RF集積化マイクロ磁気デバイス試作・プロセスに関するポスドク1名を募集中です(from Apr 2008 to March 2010). 詳細は山口正洋宛お問合せ下さい
    Access
〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-5
東北大学青葉山キャンパス,電気系1号館 3階に研究室(321)・教授室(314), 実験室(340,341)があります.
以下の地図をご参照下さい: 日本地図上の仙台, 東北大学のキャンパスマップ

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@以下にはecei.tohoku.ac.jpをつけて下さい。
  • 研究室: Phone 022-795-7061
  • 室賀 翔: Phone 022-795-7061, E-mail muroga@
  • 木嶌 英恵: Phone 022-795-7061, E-mail kijima@
  • Ranajit Sai: Phone 022-795-7061, E-mail ranajit@
  • 遠藤 恭: Phone 022-795-4286, E-mail endo@
  • 山口正洋: Phone 022-795-7077, E-mail yamaguti@

Last updated on November 22th, 2012.
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